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毎日のネットワーク待機を3時間から3分に短縮

システムアーキテクチャ

👤 AIアプリケーションアーキテクチャ、国際間ネットワークの最適化、クラウドデプロイに関心のある開発者および技術責任者
本稿では、2026年7月16日から9月8日までの本番環境における513,336件の実際の呼び出しを基に、旧アーキテクチャで推論トラフィックが国際間を転送されることによる性能ボトルネックを分析します。データによると、推論トラフィックは総トラフィックの約98.3%を占め、毎日約3時間のネットワーク待機を発生させていました。推論用デバイスをAWS USに配置してOpenAIと低遅延の内部ネットワークで接続し、AWSと中国のメインマシン間ではツールのパラメータと結果のみを転送することで、国際間トラフィックを7.94GBから0.14GBに削減し、ネットワーク待機時間を約3分に短縮しました。
  • ✨ 旧アーキテクチャでは、推論リクエストとレスポンスが1回あたり平均約794KBで、総トラフィックの98.3%を占めていました。
  • ✨ 毎日約7.94GBの推論トラフィックが国際間で転送され、約3時間のネットワーク待機を引き起こしていました。
  • ✨ 推論用デバイスをAWS USに配置し、内部ネットワーク経由でOpenAIに接続しました。
  • ✨ 中国のメインマシンではツール実行と軽量な制御データの転送のみを行い、国際間トラフィックを0.14GBまで削減しました。
  • ✨ 毎日のネットワーク待機時間を約3時間から約3分に短縮し、約98.3%削減しました。
📅 2026-09-08 · 2,351 文字 · 約 9 分で読めます
  • アーキテクチャ最適化
  • ネットワーク性能
  • AWS
  • OpenAI
  • ツール呼び出し
  • 推論デプロイ

50万回の実際の呼び出しで、1日のネットワーク待機時間を3時間から3分に短縮しました

2026-09-08

データソース:2026-07-16~2026-09-08、実運用環境での513,336回の呼び出し

一、結論から

最後まで読む時間がない方のために、最も重要なポイントを一文でまとめます。

50万回の実際のAPI呼び出しデータに基づき、1日のネットワーク転送待機時間を約3時間から3分に短縮しました。

どうやって実現したのでしょうか。――推論とツール実行を分離し、大量のトラフィックを内部ネットワークに流し、少量のトラフィックだけを国際回線経由にしました。

以下で、具体的な経緯と実際のデータを説明します。

二、背景:旧アーキテクチャが遅かった理由

当初、メインマシンは中国本土に設置し、そこに CodeX を動かしていました。CodeX は、OpenAI API の呼び出し、会話コンテキストの管理、ツール呼び出しの実行など、AIアプリケーション開発に必要な機能をすべて備えたフレームワークです。すべての処理を1台のマシン上で実行していました。

ネットワーク構成は次のとおりです。

flowchart LR
    A[CN 主力机<br>CodeX] -->|公网请求<br>VPN + Cloudflare| B[OpenAI API]
    B -->|推理响应<br>~794 KB / 次| A

推論リクエストのたびに、中国からVPNとCloudflareを経由し、太平洋を越えてOpenAIに到達した後、結果を再び戻す必要があります。この経路には、次のような不利な特徴がありました。

  • 帯域幅:10 Mbps(実効スループットは約0.75 MB/s)
  • 遅延:RTT約300ms。しかも頻繁に変動
  • 安定性:断続的なパケットロスや再送が発生

このアーキテクチャでは、1日10,000回の呼び出しを行うと、ネットワーク転送データを待つだけで約3時間かかっていました。

この3時間の間、CodeXは何もしていません。ただネットワークを待っているだけです。

三、データが物語ること

「3時間」が実際にどこで費やされているのかを明らかにするため、旧アーキテクチャにおける2026年7月16日から9月8日までのすべてのアクセスログを取得しました。合計 513,336回の有効な呼び出し であり、問題を説明するには十分なサンプル数です。

1回の呼び出し におけるトラフィックの構成を集計しました。

トラフィックの種類 平均サイズ 1日の総量(×10,000)
推論リクエスト + レスポンス 794,338 Bytes(約794 KB) 7.94 GB
ツール呼び出しパラメーター 591.59 Bytes
ツール呼び出しレスポンス 13,387.34 Bytes
ツール呼び出し合計 13,978.93 Bytes(約13.65 KB) 0.14 GB

両者には 58倍 の差があります。推論トラフィックが全体の98.3%を占め、ツール制御信号はわずか1.7%です。

次に、所要時間を計算しました。

推論トラフィックを国際回線経由で転送した場合:

7.94 GB = 7,940 MB ÷ 0.75 MB/s ≈ 10,587秒 ≈ 2.94時間

ツール制御トラフィックだけを国際回線経由で転送した場合:

0.14 GB = 140 MB ÷ 0.75 MB/s ≈ 187秒 ≈ 3分

問題の所在が明らかになりました。毎日約3時間が推論トラフィックの転送に費やされています。しかし、これらのデータは本来、国際回線を通す必要がありません。

四、解決策:「一体型」から「分離デプロイ」へ

問題が「すべての処理を中国のメインマシン上で実行し、すべてのトラフィックが国際回線を通っていること」にあるなら、解決策は処理を分離することです。

新アーキテクチャ:推論をAWSに、ツールを中国に配置

CodeXから推論機能を分離し、AWS USにデプロイしました。

flowchart LR
    subgraph CN["🇨🇳 CN 主力机"]
        T[工具执行环境]
        C[HTTP/2 客户端]
    end

    subgraph AWS["☁️ AWS US"]
        R[推理设备<br>Rust + SQLite]
        O[OpenAI API]
    end

    C -->|工具参数下行<br>591.59 Bytes| R
    C -->|工具结果上行<br>13,387.34 Bytes| R
    R <-->|推理流量<br>7.94 GB/天 内网闭环| O

この新アーキテクチャにおける主な変更点は、次のとおりです。

  1. 推論デバイス(軽量なRustサーバー + SQLite)をAWS USにデプロイし、OpenAIと同じリージョンに配置
  2. 推論デバイスとOpenAIの間はAWSの内部バックボーンネットワークを使用:遅延は10ms未満、帯域幅はGbps級
  3. 中国のメインマシンからOpenAIを直接呼び出さない。担当するのは次の2つだけです。
    • 推論デバイスから送信されたツール呼び出しパラメーター(591.59 Bytes)を受信
    • ツール実行後、その結果(13,387.34 Bytes)を推論デバイスに返送
  4. SQLiteで推論デバイス側の会話コンテキストを管理し、中国のメインマシンはステートレス化

旧アーキテクチャと新アーキテクチャで、国際回線を通るトラフィックを比較します。

比較項目 旧アーキテクチャ(中国でCodeXを実行) 新アーキテクチャ(AWS USで推論)
国際回線を通るデータ 推論リクエスト + レスポンス(1回あたり794 KB) ツールパラメーター + 結果(1回あたり13.65 KB)
1日の国際トラフィック 7.94 GB 0.14 GB
OpenAIまでの遅延 約300ms(公衆ネットワーク) 10ms未満(AWS内部ネットワーク)

五、最終結果

指標 旧アーキテクチャ 新アーキテクチャ 変化
1日の国際トラフィック 7.94 GB 0.14 GB 56.7分の1に縮小
国際転送にかかる時間 2.94時間 3分 ↓ 98.3%
OpenAIまでのネットワーク遅延 約300ms(公衆ネットワーク) 10ms未満(AWS内部ネットワーク) ↓ 30倍
1日のネットワーク待機時間の合計 約3時間 約3分 ↓ 98.3%

六、データの信頼性に関する説明

  • 集計期間:2026-07-16 16:50~2026-09-08 09:51(中国標準時)
  • サンプル総数:513,336回の呼び出し。実運用環境の全量ログであり、抽出サンプルではありません
  • トラフィック集計:実際のHTTPリクエスト/レスポンスボディのサイズに基づいています
  • ツール呼び出しパラメーター:1回あたり591.59 Bytes
  • ツール呼び出しレスポンス:1回あたり13,387.34 Bytes
  • 帯域幅の推定:実測した実効スループット0.75 MB/sに基づいています(理論値1.25 MB/sではありません)
  • RTTの推定:VPN + Cloudflareによる上乗せ分を含む、実測値300msに基づいています

すべての元ログはエクスポートして検証できます。

七、まとめ

帯域幅を増強したわけでも、より高性能なマシンに交換したわけでも、OpenAIの処理を高速化したわけでもありません。

行ったことは、ただ一つです。推論とツール実行を分離しました。

  • 推論(大量のトラフィック)はAWS USに配置し、OpenAIの近くで実行
  • ツール実行(軽量な制御信号)は中国のメインマシンに配置

その結果、1日3時間のネットワーク待機時間が、3分になりました。

データに基づくアーキテクチャ最適化に、特別な秘策はありません。あるのは、実際の数字だけです。


データソース:実運用環境の推論デバイスアクセスログ。サンプル数513,336回。
集計期間:2026-07-16 16:50~2026-09-08 09:51(CST)。

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